粗化ニッケルめっきとは、その名の通り、粗化されたニッケルめっきのことです。
主に、密着性の向上を目的に使用されます。例えば、パワー半導体へ樹脂成形
するときなどです。
見た目は光沢のない、マットな灰色をしています。けれど拡大して見てみると、
このようにとげとげしているのです。この上に樹脂を成形すると、アンカー効果で
密着性が向上するのです。密着性評価のためカップシェアテストを行い、効果は確
認済みです。
また、密着性向上だけでなく、エッチング工程を省略することができる、という利点
もあります。一般的には、めっきをつけてからエッチング剤などを使用して表面を荒
し、その上に樹脂を成型します。しかし粗化ニッケルめっきならば、めっきすることで
表面が荒れるので、エッチングをしなくてよいのです。
粗化ニッケル自体、つきまわりが良く、めっき条件にもよりますが比較的早くめっきが
つきますので、かなりの時間短縮にもなるのではと思います。
下地がきちんとしていれば、大抵の素材にはつきます。
より詳しく説明した記事が下記リンクにございます。展示会で配布致しました資料もダ
ウンロードできるようになっておりますので、是非ご参照下さい。
試作・量産時のめっきの仕様(膜厚など)は、ご依頼の素材を確認させて頂き、打ち合
わせの上、決定させて頂きます。