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めっきの基礎
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めっきという技術について
めっきとは、どんなものなのでしょうか。ここでは、めっきについて説明させていただきます。
01.表面処理技術の中の一分野である「めっき」
めっきの定義は
めっきと聞いて、どのようなものを思いうかべますか?金属の膜を上につけること、というイメージを持っているのではないでしょうか。 では、なぜ金属の膜をつけるのでしょう。

まず、知っていただきたいのは、めっきは表面処理の一種だということです。次に、表面処理とはなんでしょうか。

材料表面の美化・硬化また耐食化などのために行う種々の処理の総称。
大辞林 第三版より
材料の表面に、今までにはなかった新たな性質や機能を与えること、と言えます。

つまりめっきとは、金属の被膜を上につけることで、材料に新たな性質や機能を付与する技術なのです。

例えば、鉄は放っておくとすぐに錆が出てしまいます。鉄は空気中の酸素や水分と反応しやすく、すぐに酸化してしまうからです。

そこで、鉄の上に亜鉛や錫、ニッケルなど他の金属をめっきします。すると、鉄は酸素や水分と触れることができなくなるので、錆は出なくなります。

鉄に防錆という機能を付与したのです。
表面処理には他にも様々な方法・技術があります。

金属被膜で表面を覆う「めっき、溶射」、非金属被膜で表面を覆う「ライニング、コーティング、塗装、熱転写」アルミニウムの表面を改質する「陽極酸化処理」鋼材の表面硬化処理としての「焼き入れ」化学処理によって表面を平滑化する「化学研磨」 など。

これらの方法を単一で利用することもあれば、組み合わせて利用することもあります。
02.めっきの種類
めっきとは、上記で述べたように、金属被膜で材料の表面を覆う処理です。めっきにもいくつかの方法があり、以下のように分類されます。

  • ・溶融めっき素材を溶けた金属の中に浸漬させて、金属の被膜をつける。
  • ・乾式めっき(蒸着、スパッタなど)金属を気化させたり、ガスで反応させて、素材表面に吸着させる。
  • ・湿式めっき(電気めっき、無電解めっきなど)金属を溶かした溶液中で、電気を流したり、化学反応を利用して被膜をつける。
めっきと聞いて一番に思いうかべるのは、溶融めっきではないでしょうか。非常に厚い被膜をつけることができ、錆を防ぐことを目的とします。主に鉄鋼材に使用され、屋根に使われるトタンや、缶詰のブリキなどになります。

乾式めっきは比較的新しい方法で、PVDやCVDとも呼ばれます。非常に薄く均一に、また密着良く皮膜をつけることができ、プラスチックなど非金属にも被膜をつけることができます。

メテックで行っているのは「湿式めっき」です。膜厚は薄いものから厚いものまで調整が可能であり、他の方法と比べると低コストで、用途も多様です。次項で詳しく説明します。

このように、めっきと一言で言っても様々な方法があります。錆を防ぎたいのに、薄い皮膜をつけても錆は防げませんし、極小部品にめっきを厚付けすると、サイズが変わってしまいます。用途や目的に合わせて使い分けることが大切なのです。
03.湿式めっきとは
前項で、メテックでは湿式めっきを行っていると紹介しました。湿式めっきの仕組みについて説明します。

湿式めっきの中でも、大きく2つの方法に分類されます。電気を流して被膜をつける「電解めっき」と、化学反応を利用して被膜をつける「無電解めっき」です。

両方とも基本原理は同じで、下記のような反応が素材上で起き、金属の被膜をつけることができます。

金属イオン(M+) + 電子(e) → 金属(M)

電解めっきでは、電池や整流器のような電源から電子(e-)が供給され、無電解めっきでは素地金属表面または還元剤から供給されます。

・電解めっき陽極には銅板、陰極には導電性の素材を設置します。電源を入れると、マイナス端子から電子が供給されます。
電解めっき
  • ①マイナス端子から電子が陰極側へ供給される。
  • ②陽極側の銅は銅イオン(Cu2+)となり、陰極側へ移動する。
  • ③銅イオンと電子がくっつき、銅となって陰極表面に析出する。
  • ④銅イオンから離れた電子はプラス端子へ流れる。
陰極での反応 Cu2+ + 2e → Cu
陽極での反応 Cu → Cu2+ + 2e
・無電解めっき還元剤が触媒表面で酸化するときに放出される電子によって金属イオンが還元析出され、金属被膜が形成されます。ホルムアルデヒドを還元剤とした無電解銅めっきの例を下記に示します。
電解めっき
  • ①触媒の上でホルムアルデヒド(HCHO)が酸化されてギ酸イオン(HCOO-)になる。
  • ②放出された電子により、銅イオン(Cu2+)が還元され、銅被膜が形成される。
部分陰極反応 Cu2+ + 2e → Cu
部分陽極反応 2HCHO + 4OH → 2HCOO + H2 + 2H2O + 2e
04.装飾めっきと機能めっき
冒頭で、めっきとは、金属の被膜を上につけることで、材料に新たな性質や機能を付与する技術だと紹介しました。

付与する性質や機能は、「装飾を目的としたもの」と「機能を目的としたもの」とに分けられます。それぞれ、「装飾めっき」、「機能めっき」を呼ばれます。

「装飾めっき」はその名の通り、素材の表面に、めっきする金属の外観を持たせることを目的とします。アクセサリーや時計、万年筆など、主に装飾品に用いられます。めっきする金属は、貴金属、金や銀、白金(プラチナ)などです。

これら貴金属は当然高価ですから、そのまま使用するととてもコストがかかります。そこで、比較的安価な鉄鋼系の素材を加工して形をつくり、その上にめっきをします。コストをかけず、貴金属特有の光沢感、質感、色味を持たせることができる、というわけです。

「機能めっき」は、めっきする金属の特性=機能を付与することです。1表面処理技術の中の一分野である「めっき」 の項でも鉄材の例を紹介しました。あれは防錆、耐食性という機能を付与するものでした。

他にも例を挙げてみましょう。電気がよく流れる金属である銀や銅をめっきすると、電気伝導性が良くなります。電気が流れにくい鉄系合金に用いられます。

錫は融点が低く、半田付け作業の温度で溶けるため、半田濡れ性が良い金属です。半田での接合が必要な箇所にめっきをします。

このように、機能めっきとは、それぞれの金属の特性を活かすめっきです。電化製品や医療機器、自動車、人工衛星など幅広い分野で使用されており、目に触れることは少ないですが、生活になくてはならない技術なのです。

05.まとめ
めっきという言葉は知っていても、身近なものと考える人は少ないのではないでしょうか。しかし、目に付かなくても身の周りには、めっきされた製品がたくさん使用されています。

めっきの仕組みや理屈は難しいですが、とても奥が深い技術であり、学問です。

冒頭で、なぜ金属の膜をつけるのかと問いかけました。答えとして、身近で有用な資源である金属を、最大限有効活用するためと言えるのではないでしょうか。

参考文献
電気鍍金研究会編(2011)『現代めっき教本』日刊工業新聞社
斉藤囲ほか(2007)『入門 新めっき技術』工業調査会
Process
めっき工程
  • めっきの前処理
    Process 01
    製品をめっきする前に行う処理
    一般的な工程では、製品の油脂成分を取り除く「脱脂工程」を行った後、製品の表面の洗浄及び酸化物を除去する「活性工程」の処理を行います。その他にも研磨、ブラスト工程などもこれに含まれます。
  • 下地めっき
    Process 02
    めっき前の下地となるめっき
    これにより素材のラフネスや素材成分の影響を仕上げのめっきに直接影響しないようにします。また、素材と強い密着性を得るストライクめっき法などもあります。
  • 仕上げめっき
    Process 03
    実際に目的としているめっき
    リードフレームなどの機能性めっきでは、導電性、はんだ付け性の向上としてAgめっき、Auめっきおよび鉛フリーはんだめっきなどが使用されています。仕様により、製品の一部分のみをめっきするスポットめっきや先端めっきなどもあります。
  • 後処理
    Process 04
    酸化防止処理など製品の劣化を防ぐ工程
    めっき製品は、加工後一定期間保管されたあとでも変わらない性能が求められるため、この工程が必要となります。また、鉛フリーはんだめっきのSnめっきでのウィスカー発生防止用、リフロー処理もこれにあたります。
  • 乾燥
    Process 05
    乾燥させて水分を取り除く工程
    この工程でシミなどの問題が発生するため、温度、時間を正確にコントロールする必要があります。
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