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技術情報
2026.10.29
Q&A
その他
めっきの不具合に関するQ&A
めっきの不具合に関するQ&Aをまとめました。
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剥がれ・密着不良

Q.1 めっきが剥がれるのはなぜですか?+
A. 原因は様々ですが、主に脱脂不足、活性化不足、めっき液の調整、電気条件などが考えられます。また、めっきの種類によってはめっき被膜そのものに応力が内在する場合があり、応力が大きすぎるとめっきが剥がれることもあります。
Q.2 めっき後すぐには剥がれなかったのに、時間が経つと剥がれるのはなぜですか?+
A. 密着よくめっきがされていれば、時間が経っても剥がれることはありません。しかし、素材や下地のめっきと拡散して最表層のめっきが取れたように見えることはあるかもしれません。
Q.3 めっきした製品を曲げると、めっきが剥がれるのはなぜですか?+
A. 素材との密着性が悪いと、曲げた際に被膜が剥がれることがあります。或いはめっきの金属が硬い種類の場合、割れが生じて剥がれたように見えることも有ります。
Q.4 めっき後に熱処理をすると、めっきが剥がれることはありますか?+
A. 素材との密着性が悪いと、熱処理後にめっきが剥がれることがあります。
Q.5 めっきに膨れ(ふくれ)が発生するのはなぜですか?+
A. 素材との密着性が悪いと、めっき後や耐熱試験後にフクレが発生します。密着性が悪いと素材とめっきの間に気泡が存在し、熱をかけると膨張することでフクレになります。素材との密着性が良くても、酸素が表層のめっき被膜を透過して下地のめっき被膜が酸化して表層と下地層の間で膨れることもあります。
Q.6 めっきの密着性はどのように確認するのですか?+
A. 折り曲げ試験、クロスカットテープ試験、耐熱試験などを行い、めっきが剥がれないか、フクレがないかを確認します。
Q.7 素材によってめっきの密着性は変わりますか?+
A. 素材によって変わります。ステンレスは強固な酸化被膜を持つため、通常の工程ではめっきの密着性が悪いです。また熱がかかって表面が酸化している場合も密着性が悪くなります。その素材や状態に合わせた前処理を行うことで酸化被膜を除去し、密着よくめっきをつけることが可能です。
Q.8 めっきが部分的に剥がれるのはなぜですか?+
A. どのような部分で剥がれたのかによりますが、脱脂や活性化が十分でなかった、電気がうまく流れていなかったなどの原因が考えられます。
Q.9 めっきが剥がれた部分を再めっきすることはできますか?+
A. めっきが剥がれた部分にのみ再度めっきをつけることは難しいです。素材や下地にもよりますが、一度全面めっきを剥離し、再度めっきをつけることは可能です。
Q.10 めっきの膜厚が厚いと剥がれやすくなりますか?+
A. 電解ニッケルめっきなど析出する際の応力が強いものだと、剥がれる可能性があります。

変色・シミ・外観不良

Q.1 めっきが変色するのはなぜですか?+
A. めっき後に適切な後処理、変色防止がされておらず、表面が酸化したり汚染されると変色します。また水洗の水質が悪い、乾燥不足などでも変色が発生します。
Q.2 めっき後にシミが発生するのはなぜですか?+
A. めっき後の水洗、乾燥方法が不十分だった可能性があります。
Q.3 めっき直後はきれいだったのに、時間が経つとシミが出るのはなぜですか?+
A. めっき後の洗浄不足や、保管環境や温度差による結露などが原因と考えられます。
Q.4 めっき表面に白いシミが発生するのはなぜですか?+
A. めっき後の洗浄不足、汚れの付着などが考えられます。
Q.5 めっき表面に黒い点や斑点が発生するのはなぜですか?+
A. 最表層のめっき厚薄い場合、下地や素材が表層まで拡散し、黒い点になることがあります。または異物が付着し、変色している可能性があります。
Q.6 めっきの色が部分的に違うのはなぜですか?+
A. 素材の大きさや形状の複雑さ等で電気の流れ方が均一ではない場合、めっきの析出のしかたが部分的に異なると色が違うように見えたりします。(シミ・変色の可能性も)
Q.7 めっき表面が虹色になるのはなぜですか?+
A. 表面に不純物が薄く残っていると干渉色を発することがあり、それで虹色に見えたりすることがあります。
Q.8 めっき表面に水滴の跡が残るのはなぜですか?+
A. めっき後の水洗、乾燥方法が不十分だった可能性があります。複雑な形状であったり、凹凸のある形状だと水分が残りやすく、水滴の跡がつきやすいです。
Q.9 めっき後に指紋がつくと変色することはありますか?+
A. 変色します。指紋に含まれる油分や汗の成分と反応して変色します。
Q.10 めっきの光沢が部分的になくなるのはなぜですか?+
A. 光沢剤の調整不足や電流密度が適切でない可能性があります。
Q.11 めっき後の洗浄や乾燥が不十分だと、どのような不具合が発生しますか?+
A. 変色や水シミの発生が考えられます。まためっき後の工程ではんだがつかないなどの実装不良が発生する可能性もあります。
Q.12 めっきの変色は性能にも影響しますか?+
A. 耐食性が落ちる、電気伝導性が悪くなる、はんだ濡れ性が悪くなるなどの影響が考えられます。

膜厚・つき回り不良

Q.1 めっきの膜厚にばらつきが生じるのはなぜですか?+
A. 電気めっきの場合、電気が流れやすい箇所にめっきがつきやすいためです。端や凸部分は電気が集中しやすく膜厚が厚くなりやすいです。反対に平面の中央部、凹部は膜厚が薄くなりやすいです。
Q.2 製品の角や端部だけめっきが厚くなるのはなぜですか?+
A. 電気めっきの場合、電気が流れやすい箇所にめっきがつきやすくなります。角や端部は電気が集中しやすく膜厚が厚くなります。
Q.3 穴の内部にめっきがつきにくいのはなぜですか?+
A. 穴の内部は電気が入りにくく(電流分布が弱くなり)、めっきがつきにくいです。低電流でゆっくりとめっきをつける、無電解めっきを使用すると、めっきがつきやすくなります。
Q.4 製品の一部にめっきがつかないのはなぜですか?+
A. どのような部分にめっきがつかなかったのかによりますが、穴の中など、加工油が入り込んで脱脂しきれなかった、電気が入りにくくめっきがつかなかったなどの可能性が考えられます。
Q.5 めっきが指定した膜厚より薄くなるのはなぜですか?+
A. めっき条件が合っていないのだと思われます。
Q.6 めっきが指定した膜厚より厚くなると、どのような問題が発生しますか?+
A. 挿抜する製品だと、穴に入らないなどの問題が発生します。
Q.7 めっきの膜厚が不均一だと、製品性能に影響しますか?+
A. 製品がどのようなところで使用されるのかによりますが、防錆のためのめっきであればめっきが薄い部分に錆が発生する可能性が考えられます。
Q.8 複雑な形状の製品では、めっきの膜厚が不均一になりやすいのですか?+
A. 不均一になりやすいです。特に電気めっきだと、角や凸部分に電気が集中し、膜厚が厚くなります。逆に平面部や凹部は膜厚が薄くなります。
Q.9 電気めっきと無電解めっきでは、膜厚のばらつきに違いがありますか?+
A. 電気めっきは電気の集中しやすい部分で膜厚が厚くなります。一方無電解めっきは全面に均一に膜厚がつきます。
Q.10 めっきの膜厚はどのように検査するのですか?+
A. 蛍光X線膜厚測定器やデジタルマイクロメーターなどで膜厚を測定します。

異物・ざらつき・表面の欠陥

Q.1 めっき表面にブツブツができるのはなぜですか?+
A. めっき液の異常、電気条件の異常が考えられます。または液中に異物が入り、それが一緒にめっきされることでめっきの被膜がブツブツになってしまったのかもしれません。
Q.2 めっき表面がザラザラになるのはなぜですか?+
A. めっき液の異常、電気条件の異常が考えられます。または液中に異物が入り、それが一緒にめっきされることでめっきの被膜がザラザラになってしまったのかもしれません。異物としては無電解であれば異常析出しためっき粒子、電解であれば陽極のカスなどが考えられます。
Q.3 めっき表面に異物が付着するのはなぜですか?+
A. 液中に異物が入り、一緒にめっきされたのかもしれません。もしくは水洗水が汚染されている、めっき後の取り扱いが悪く汚れや異物が付着する、乾燥炉内が汚れているなどの可能性が考えられます。
Q.4 めっき表面にピンホールが発生するのはなぜですか?+
A. ピンホールはめっき被膜中に発生する目には見えない穴です。めっきが薄いと素材まで貫通して、錆や腐食の原因になります。前処理不足、素材に含まれる不純物の影響、めっき条件など、様々な原因が考えられます。ピンホールを完全になくすことは難しいですが、めっきを多層にする、膜厚を厚くする(10μm以上)で減少することがわかっています。
Q.5 めっき表面に小さな穴やくぼみができるのはなぜですか?+
A. めっき中に発生したガスが付着し、その部分にのみめっきがつかないことで小さな穴やくぼみになります。ピットと呼ばれます。液をよく攪拌する、製品を揺動させることで防ぐことができます。
Q.6 めっき表面に筋状の模様が発生するのはなぜですか?+
A. めっき中に発生するガスがめっきの析出を妨げることで筋状の模様が発生します。液をよく攪拌する、製品を揺動させることで防ぐことができます。
Q.7 めっき表面に細かいひび割れが発生するのはなぜですか?+
A. めっきが厚くつきすぎたことで、応力でひび割れが起きたと考えられます。
Q.8 めっき表面に結晶のような突起が発生するのはなぜですか?+
A. めっき液の添加剤の調整不足、電気条件の異常が考えられます。
Q.9 めっき表面の異物は製品性能に影響しますか?+
A. 異物が付着していることで、光沢が落ちる、はんだ濡れ性が落ちるなどの影響が考えられます。
Q.10 めっき表面のザラつきや異物を除去することはできますか?+
A. 素材や下地にもよりますが、めっきを剥離し、再めっきする必要があります。

腐食・錆・耐食性

Q.1 めっきした製品が錆びるのはなぜですか?+
A. めっきの膜厚が薄い可能性があります。もしくは製品の使用している環境がめっきの規格と合っていない可能性があります。
Q.2 めっきに小さな傷がつくと、そこから錆びることはありますか?+
A. 錆びることがあります。傷が素材にまで達しているとそこから錆びます。
Q.3 めっきの膜厚が薄いと錆びやすくなりますか?+
A. 錆びやすくなります。特に電気めっきではピンホールという目には見えない被膜の穴が発生します。膜厚が薄いとこのピンホールが埋まらず、素材がわずかに露出し、環境にもよりますが錆の発生につながります。
Q.4 めっきの種類によって耐食性は変わりますか?+
A. 変わります。耐食性の良いめっきとしては、ニッケルめっきが挙げられます。特に無電解ニッケルめっきはピンホールも少なく緻密な被膜であるため、耐食性は良いです。海水への耐食性に関しては亜鉛めっきが挙げられます。
Q.5 めっきした製品を高温多湿の環境で保管すると、どのような不具合が発生しますか?+
A. めっきの種類にもよりますが、錆、変色の発生が考えられます。
Q.6 異なる金属を接触させると、めっきが腐食することはありますか?+
A. 腐食することがあります。ガルバニック腐食と呼ばれ、イオン化傾向の差が大きい金属同士の接触だとより腐食が促進されます。
Q.7 めっきのピンホールが腐食の原因になることはありますか?+
A. あります。ニッケルめっき上の金めっきにおいて、金めっきが薄すぎるとイオン化傾向の差でニッケルの腐食が進み、ブラックパッドと呼ばれる黒点が発生します。
Q.8 錆びためっき製品を再めっきすることはできますか?+
A. 程度にもよりますが、可能です。一度めっきを剥離し、錆を落とす処理をしてから再度めっきを行います。ただし錆が発生した箇所は腐食されて凹凸ができていると思われますので、新品同様にはならないと思われます。

めっきの種類別のよくある不良

Q.1 ニッケルめっきが黄色や茶色に変色するのはなぜですか?+
A. めっき後の水洗、乾燥方法が不十分だった可能性があります。もしくは保管環境が悪いと変色が発生します。
Q.2 ニッケルめっきにひび割れが発生するのはなぜですか?+
A. めっき析出の際の応力によるものと思われます。ニッケルめっきは引張応力が強く、膜厚を厚くつけすぎるとひび割れ(クラック)が発生する可能性があります。
Q.3 無電解ニッケルめっきにザラつきが発生するのはなぜですか?+
A. めっき液の添加剤のバランスが崩れて異常析出していると思われます。めっきする製品以外の場所でめっきが析出し、それが液中に舞って製品に付着した可能性もあります。
Q.4 無電解ニッケルめっき後の熱処理で変色するのはなぜですか?+
A. 温度によりますが、めっき被膜の酸化度合いによって変色する場合があります。
Q.5 金めっきが赤っぽく変色するのはなぜですか?+
A. 不純物として銅又はニッケルが析出している、もしくは金めっきが薄く、下地の銅又はニッケルが拡散して表層まで出てきている可能性があります。
Q.6 金めっきにピンホールが発生するのはなぜですか?+
A. 金は高価であるため、膜厚を薄く抑える傾向にあります。そのため、ピンホールを埋めることが難しいです。
Q.7 銀めっきが黒く変色するのはなぜですか?+
A. 硫化変色してると思われます。銀は酸素と反応して酸化することはありませんが、硫黄と反応すると黒く変色します。
Q.8 銀めっきが黄色く変色するのはなぜですか?+
A. 水洗の水質が悪い、乾燥が不十分だと黄色く変色します。
Q.9 銀めっきの表面に摩耗粉が発生するのはなぜですか?+
A. 銀はニッケル等と比較すると柔らかい金属なので、他のものと接触して擦られると摩耗粉が発生することもあります。
Q.10 銅めっきが赤黒く変色するのはなぜですか?+
A. 表面が酸化していると思われます。銅は非常に酸化しやすいため、めっき後は酸素との反応を防ぐために変色防止が必須です。
Q.11 すずめっきから針状の結晶(ウィスカ)が発生するのはなぜですか?+
A. 決定的な原因は判明していませんが、錫めっき被膜にかかる応力が原因と言われています。応力がかかることで結晶が動き、ウィスカが成長すると考えられます。
Q.12 すずめっきのはんだ付け性が低下するのはなぜですか?+
A. 熱がかかって表面が酸化しているためと思われます。

加工後・使用中に現れる不良

Q.1 めっき後にプレス加工や曲げ加工をすると、めっきにひび割れが発生するのはなぜですか?+
A. めっきの種類にもよりますが、ニッケルなど展延性の小さいめっきだと素材の曲げに追従できず、ひび割れ(クラック)が発生します。
Q.2 めっき後に溶接すると、めっきが変色したり剥がれたりすることはありますか?+
A. めっき後に溶接すると、熱がかかってめっき表面が酸化して変色する可能性があります。溶接の温度にもよりますが素材との熱膨張率の違いによって剥がれたり、まためっきと素材の密着性が悪いと剥がれることもあります。
Q.3 めっきした製品を加熱すると、めっきの性能は変化しますか?+
A. 表面が酸化することで電気伝導性が落ちたり、はんだ濡れ性が落ちる可能性はあります。また熱がかかることでめっき粒子が再結晶したり拡散することで、光沢が落ちることもあります。
Q.4 めっきした電気接点で接触抵抗が増加するのはなぜですか?+
A. おそらくめっき被膜が摩耗し、素材がむき出しの状態になって表面が酸化しているのだと思われます。
Q.5 めっきした製品を長期間保管すると、どのような不具合が発生しますか?+
A. 表面の酸化や、素材や下地と表層のめっきが拡散が起こり、変色、電気伝導性の低下、はんだ濡れ性の低下などの不具合が生じる可能性があります。
Q.6 めっき後に製品を組み立てると、めっきが傷つくことはありますか?+
A. 強い衝撃が加わる場合はどのようなめっきであれ傷はつきます。光沢のある硬い被膜だと傷はつきにくいですが、粒子の粗いめっきだと傷は目立ちます。
Q.7 めっきの不具合は、外観に問題がなくても発生することがありますか?+
A. 外観に問題がなくても、密着性が悪く後の工程で剥がれる、などの問題が起こることがあります。
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