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技術情報
2019.11.15
めっきの基本
ストライクめっき
ストライクめっきとは
ストライクめっきとは、通常のめっきをつける前にごく薄くつけるめっきです。
素材とめっきの密着性を向上させるために行います。

今回はニッケルストライクめっき、銅ストライクめっき、銀ストライクめっきの
3種類についてご紹介します。
ニッケルストライクめっき
ステンレスのような酸化被膜を生じやすい素材や、表面が酸化して、めっきがつきにくい素材に対して使用します。
pHが非常に低いので、素材を活性化しつつめっきをつけることができ、密着性を向上させることができます。

下の画像は、ステンレス材にニッケルめっきをつけたものです。
左はニッケルストライクあり、右はニッケルストライクなしです。

外観に特に変化はありません。
密着性を確認するために、クロスカット試験(JIS Z 1522)を行いました。
クロスカット試験とは、サンプル表面にカッターで碁盤の目状に切込みをし、テープを貼って剥がすというものです。

すると、ストライクめっきなしだと、ベロベロに剥がれてしまいました。
ストライクめっきをすると、密着性が格段に上がることがわかります。

銅ストライクめっき
次に銅ストライクについてご説明します。
鉄やアルミなど、卑金属へ銅めっきをつける前に使用します。

卑金属が銅めっきの中に入ると、イオン化傾向によって卑金属が溶け出し、
その溶けたところに、銅が置換して析出します。
こうして析出した銅めっきは密着性が悪く、剥がれ、ふくれの原因となります。

ストライクめっき液は置換が起こりにくいので、卑金属にもめっきできます。
また銅ストライクめっきをつけて素材を銅で覆ってしまうことで、次工程で使用する
強酸性、強アルカリ性のめっき液でも溶けないようにする効果もあります。

下の画像は、鉄材に銅めっきをつけたものです。
左はストライクめっきあり、右はストライクめっきなしです。

ストライクめっきなしだと、わかりにくいのですが、表面にむらができています。
こちらもクロスカット試験をしてみました。

すると、ストライクめっきなしでは一部剥がれてしまいました。
銅ストライクめっきをつけることで、卑金属である鉄材にも
密着良くめっきをつけることができる、ということがわかりました。
銀ストライクめっき
最後に、銀ストライクめっきの説明をさせていただきます。

銀ストライクめっきは、銅ストライクと同じような役割を果たします。
銀は卑金属だけでなく、貴金属である銅に対しても置換して析出してしまいます。

そこで、電気を流しながら銀ストライクめっき液に浸漬させます。すると銀が置換する暇なく、
薄く緻密な銀めっきをつけることつけることができ、密着性を向上させることができるのです。

下の画像は、銅材に銀めっきをつけたものです。
左はストライクめっきあり、右はストライクめっきなしです。

外観に変化はありません。
では、クロスカット試験を行います。

クロスカット試験で、剥がれはありませんでした。

ストライクめっきなしでも、密着性がいい?それならストライクめっき要らないのでは?

そこで、耐熱試験を行いました。
耐熱試験を行うと、密着性の悪い部分にふくれができます。
ストライクめっきなしでは、小さなふくれが確認できました。
もちろん、ストライクめっきありのサンプルにふくれはありません。

ストライクめっきをつけることで、より良い密着性を得ることができました。
まとめ
今回はよく使用するニッケル、銅、銀のストライクめっきについて紹介しました。
これらの金属以外のめっきでも、ストライクめっきをつけることがあります。

通常のめっきだけだと、素材の特性やイオン化傾向によって密着良くつかない場合がありますが、
こういったストライクめっきをつけることで密着良くつけることができるのです。





ストライクめっきのことを、フラッシュと呼ぶこともあります。
金めっきを薄くつけることを金フラッシュと言ったりします。

個人的に、フラッシュと聞くと、うっすらとふわっとめっきされているイメージ、
ストライクと聞くと、密着性向上のため、素材にガツッとめっきをつけるイメージがあります。

下の画像は、このイメージをイラストにしてみたものです。あくまでも個人のイメージです。
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