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TECHNOLOGY INFORMATION
技術情報
2020.2.29
Agめっき
高硬質銀めっき
銀めっきの硬さ
銀自体、比較的柔らかい金属で、25Hv(ビッカース硬さ)くらいです。
柔らかいと言われる他の金属と比べてみましょう。

Sn(錫) 1.5Hv
Ag(銀) 25Hv
Al (アルミニウム) 45~50Hv
Cu(銅)55~100Hv

他の金属との合金となると硬さも変わってきますが、銀が柔らかいことがわかります。
これがめっきとなると、また硬さがかわってきます。

Sn(錫)めっき 3~60Hv
Ag(銀)めっき 50~100Hv
Cu(銅)めっき 100~160Hv

めっきだと硬くなるのです。これは溶製金属(溶かして得られる金属)よりも
結晶粒が小さいからだと言われています。

大きな粒の集まりだと粒と粒の隙間に空間ができ、粒が動く猶予が生まれます。
力が加わると粒が動いて、変形してしまします。つまり柔らかい。

小さな粒だと空間が非常に小さくなるので粒が動けません。
力が加わっても粒が動かないので、硬いというわけです。
高硬質銀めっきとは
高硬質銀めっきとは、通常の銀めっきの粒子よりもさらに小さいため、
より硬さが増しているAgめっきです。

通常の銀めっき 50~100Hv
高硬質銀めっき 150~210Hv

通常の銀めっきよりもはるかに硬いことがわかります。
また、粒子が小さいことで非常に光沢のある外観になります。

ただしLED用超高光沢銀めっきのような青白い色調ではなく、
若干黄色っぽい銀白色をしています。
高硬質銀めっきの用途
硬いことで、耐摩耗性が向上します。
また銀めっきの特性である良好な電気伝導性も持っています。

通常、摺動部分には耐摩耗性の良い硬いめっきであるニッケルめっきなどが
使用されますが、電気伝導性が劣ります。

そこで、高硬質銀めっきを使用すると電気伝導性を向上させることができます。

またアクセサリーや腕時計のベルトなど、めっきの摩耗が懸念される装飾品へのめっきとしても有効です。
耐摩耗性があるので、めっきが摩耗しづらくなります。

まとめ
高硬質銀めっきの特徴をまとめます。

①通常の銀めっきよりも硬く、150~210Hvの硬さである。
②耐摩耗性、電気伝導性が良好。

硬い被膜を持っていますので、通常の銀めっきではできなかった用途に使用することができます。


高硬質銀めっきつきましては、少量試作を承っております。
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