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TECHNOLOGY INFORMATION
技術情報
2020.6.5
研究開発
学研のメタルキットシリーズ「オオスズメバチ」を作成、めっきしました。
アルミでできたパーツを組み立てる、フィギュア作りのキットです。
今回は「オオスズメバチ」です。

商品情報はこちら。https://kids.gakken.co.jp/kagaku/mag_kagaku/metalkit/mk/kit_09.html

弊社、Instagram始めまして、ネタになるような「ばえる」ものを作ろうということになり、
こちらの商品にめっきしてみた次第です。

弊社のアカウントはこちら。https://www.instagram.com/metek1918/

作業しながら写真を撮っていたので、まったく「ばえ」ておりません。
とりあえず完成までの工程を追っていきたいと思います。

アルミへのめっきについての詳細はこちら。https://www.metek.co.jp/blog/1248/
こちらも合わせてご覧いただくと、よりめっきのことがわかると思います。
パーツ分け
まずはばらばらで入っているパーツを部位ごとに適当に分け、
どんなめっきをするか考えます。

今回はオオスズメバチなので、黄色(頭部、腹部のしま模様)、黒色(胸部、腹部、足)、白色(羽)、の3色をめっきします。

曲げ加工が必要なパーツはある程度形を作っておきます。
早速めっき
このパーツにめっきしていきます。
これは腹部の縞模様になるパーツです。金めっきします。
脱脂、エッチングします。
アルミは両性金属(酸にもアルカリにも溶ける)です。
強アルカリの液に入れて、表面の酸化被膜を取り、さらに荒らします。
表面を荒らすことで、後の工程であるジンケート、めっきをつきやすくします。
ぶわーっとガスが出ます。有毒というわけではないのですが、吸うとめちゃくちゃむせます。
エッチングすると、アルミに含まれている不純物(マグネシウムなどの他金属)が表面に現れます。
それがついたままだと密着性が悪くなるので、硝酸含有の液で不純物を除去します。
次にジンケート、亜鉛置換します。
アルミの表面を亜鉛で覆います。ちょっと青っぽくなります。
このままだと亜鉛の粒子が荒いので、一度硝酸で剥離、再度ジンケートします。
ジンケート2回目の写真です。
青っぽかったのが、ちょっと薄くなりました。
再度ジンケートすることで、亜鉛の粒子が細かくなり、より密着の良いめっきができるようになるのです。
まずは下地のめっきをとして無電解ニッケルめっきをつけます。
液温90℃なので熱いです。
そしてこの後に金をつけます。
黄金!輝いてますね。
他のパーツもそれぞれめっきできましたので、組み立てていきます。
組み立て
取説見ながら、まずは胸部。
黒ニッケルめっきをつけています。黒いですね。
このめっきは少しでも擦れると傷になってしまいます。そして黒いので傷が目立ってしまいます。
傷つけないように慎重に組んでいきます。
羽をつけます。羽は半光沢銀めっきです。虫っぽくなってきました。
頭部と腹部です。金めっき輝いてますね。
全部くっつけて、完成~。
ちなみに全長12㎝、高さ12㎝と大きいです。
羽は寝かすこともできるのですが、飛び立とうとする瞬間!ということでこの角度で。

というのは後付けで、曲げるとクラック(ひび)が入ってしまうからです。

アルミは柔らかいので曲げても支障ないのですが、めっきしたニッケルが硬く、曲げると
割れてしまうのです。さらに黒ニッケルだと、そのクラックが目立つ目立つ。
だからめっきする前に、あらかじめ曲げておいたのです。

ということで、学研のメタルキットシリーズ「オオスズメバチ」でした。
今後もこのシリーズの作品にめっきする予定です。
「ばえる」よう頑張ります。


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