平滑ニッケルめっきとは、表面に凹凸のない、非常に平滑なニッケルめっきです。
めっきの表面状態は、素材の引目や下地の粒子状態に影響されるのですが、
この平滑ニッケルめっきはそういった細かな凹凸を埋めてしまうことで、より平滑な表面状態になるのです。
表面に凹凸がほとんどありませんので、光沢ニッケルめっきよりもさらに光沢度が高くなります。
■用途
LED向け光沢Agめっきの下地 → 素材の引目を消して凹凸をなくすことで光沢度up! → Pd、Au付着量削減
■表面状態
まず、外観がどの程度違うのか見てみましょう。
(1番目写真が平滑ニッケルめっき、2番目の写真が普通ニッケルめっきです。)
同じ銅板にめっきをした外観です。めっきの膜厚は両方とも2μmです。
普通ニッケルめっきは素材の引目がはっきりと見えるのに対し、平滑ニッケルめっきはほとんど見えません。
平滑ニッケルめっきでは、素材の凹凸を埋めて平滑な表面状態になっていることが分かります。
■表面粗さ
接触式粗さ計で測定した表面粗さのグラフです。
(1番目写真が平滑Niめっき、2番目の写真が普通Niめっきです。)
表面の凹凸を線グラフで表しています。
普通Niめっきでは線が激しく上下しているのに対し、平滑ニッケルめっきはほぼ水平を保っています。
それだけ表面に凹凸がないということが分かります。
粗さを数値で表すと、以下のグラフのようになります。
普通ニッケルめっきのRaは0.2821μmなのに対し、平滑ニッケルめっきは0.0246μmです。
約10倍の違いがあります。
■光沢度
次に光沢度を比較してみます。
普通ニッケルめっきは0.842なのに対し、平滑ニッケルめっきは2.662あります。
平滑ニッケルめっきの方が3倍近く、光沢度が高いという結果になりました。
表面に凹凸があると、光が乱反射して光沢度が落ちてしまいます。
平滑ニッケルめっきは表面の凹凸が少ないので、それだけ光沢度も高くなるのです。
平滑ニッケルめっきは表面に凹凸が非常に少ないNiめっきです。
一般的な普通ニッケルめっきと比較して、以下の特徴があります。
①外観は、素材の引目を埋めてしまうので非常に平滑な表面である。
②粗さは、Ra(μm)で普通ニッケルめっきの10分の1である。
③光沢度は、普通ニッケルめっきの3倍である。
これらの特徴を持つ平滑ニッケルめっきは、より高い光沢度が求められる、LED向け銀めっきの下地として有用です。
平滑ニッケルめっきにつきましては、少量試作を承っております。
ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。